2021年1月22日に映画『どん底作家の人生に幸あれ!』がTOHOシネマズシャンテ他にて全国で公開されました。
「オリバー・ツイスト」や「クリスマス・キャロル」などで世界的に有名な文豪チャールズ・ディケンズの半自伝的小説「デイヴィッド・コパフィールド」が原作です。
では、映画『どん底作家の人生に幸あれ!』の作品基本情報、スタッフ、キャスト、あらすじ、ネタバレありの感想で、よかったところ、気になったところについて書いていきます。
映画『どん底作家の人生に幸あれ!』の作品基本情報
予告編
製作年
2019年
製作国
イギリス・アメリカ
上映時間
120分
配給
ギャガ
劇場公開日
2021年1月22日
原題
The Personal History of David Copperfield
レイティング
G
上映館
https://gaga.ne.jp/donzokosakka/theater/index.php
映画『どん底作家の人生に幸あれ!』のスタッフ、キャスト
原作者
チャールズ・ディケンズ
監督
アーマンド・イアヌッチ
製作
ケビン・ローダー
アーマンド・イアヌッチ
脚本
アーマンド・イアヌッチ
サイモン・ブラックウェル
キャスト
デヴ・パテル | デイヴィッド・コパフィールド | 主人公 |
ティルダ・スウィントン | ベッツィ・トロットウッド | デイヴィッドの叔母 |
ヒュー・ローリー | ミスター・ディック | ベッツィの同居人 |
ピーター・キャパルディ | ミスター・ミコーバー | デイヴィッドの借金まみれの里親 |
ベネディクト・ウォン | ミスター・ウィックフィールド | アグネスの父親 |
ロザリンド・エリーザー | アグネス・ウィックフィールド | 最終的にデイヴィッドの妻となる |
アナイリン・バーナード | スティアフォース | デイヴィッドの友人 |
ベン・ウィショー | ユライア・ヒープ | 金と欲にとりつかれて悪人になる |
モーフィッド・クラーク | クララ・コパフィールド、令嬢ドーラ | デイヴィッドの母親クララ、ドーラの二役 |
デイジー・メイ・クーパー | ペゴティ | 優しい家政婦 |
映画『どん底作家の人生に幸あれ!』のあらすじ
デイヴィッドは少年の頃、周囲の“変わり者”たちのことを書き留めては、空想して遊んでいた。優しい母と家政婦の3人で幸せに暮らしていたが、暴力的な継父の登場によって人生が一変。都会の工場へ売り飛ばされ、強制労働のハメに!しかも里親は、借金まみれの老紳士だった…。歳月が過ぎ、ドン底の中で逞しく成長した彼は、母の死をきっかけに工場から脱走。たった一人の肉親である裕福な伯母の助けで上流階級の名門校に通い始めたデイヴィッドは、卒業後に法律事務所で働き始め、さらに令嬢ドーラと恋に落ち、順風満帆な人生を手に入れたかに見えた。だが、彼の過去を知る者たちによって、ドン底に再び引き戻されようとして…。
果たして、デイヴィッドの数奇な運命の行方は!?すべてを失っても綴り続けた、愛すべき変人たちとの《物語》が完成した時、彼の人生に“奇跡”が巻き起こる―。
映画『どん底作家の人生に幸あれ!』のネタバレありの感想!
よかったところ
さまざまな人種、個性的なキャスト陣
監督のこだわりでもあったようですが、とにかくさまざまな人種の人々が登場します。観ているとだんだん違和感がなくなっていきます。家族構成を把握しながら観ると分かりやすいです。
演じたキャスト陣は皆、個性派ぞろいでおもしろかったです。
何度でも立ち上がるデイヴィッド
デヴ・パテル演じるデイヴィッドは波乱万丈の人生を送ることになります。幸せな生活から突然どん底へ転落… それでも言葉をつづり続け、何度でも立ち上がります。自分が貧乏なときでも友を助けることをいとわない優しいデイヴィッドが、ついに作家として成功する姿に感動しました。
仕立てのスーツ
デイヴィッドは暮らし向きが良くなると、仕立ててもらったスーツを着ます。これがイギリス的で、とってもオシャレでした。
ロバ嫌いなデイヴィッドの伯母ベッツィ
デイヴィッドの伯母ベッツィが庭にロバで乗りつけてきた人に跳び蹴りをするシーンが最高に笑えました!このときの黒の丸メガネにオレンジのドレス、帽子がとっても似合っていてカッコよかったです。演じたティルダ・スウィントンの何頭身?というスタイルの良さも際立っていました。
『ドクター・ストレンジ』の2人が出演!
『ドクター・ストレンジ』でウォンを演じたベネディクト・ウォンとエンシェント・ワンを演じたティルダ・スウィントンが出演しているのが気になっていました。2人が悪役を退治してくれるかも、という勝手な想像をしてしまいました。もちろんアクション映画ではないのですが、ティルダ・スウィントンの跳び蹴りに笑わせてもらえて大満足です!
たこ揚げをするミスター・ディック
ヒュー・ローリー演じるミスター・ディックがたこ揚げをするシーンがすてきでした。ミスター・ディックの頭に取りついて悩ませる言葉を、たこで空に飛ばすことで心が解き放たれるのです。これはデイヴィッドのアイデアです。観ていたわたしの心もすがすがしくなりました。
悪役ユライア
ベン・ウィショー演じるユライアは、最初はデイヴィッドの使用人です。なんとかデイヴィッドに取り入ろうと必死です。執着してまとわりつく様子の気持ち悪さが印象に残りました。報われないユライアの執着心はお金と権力に移ったようで、詐欺、横領までして力を得て、デイヴィッドを見下すようになります。結局、悪事は暴かれますが、ベン・ウィショーのアクの強い演技は見事でした。
気になったところ
ダイジェスト感
原作の長さからすると、映画で120分にまとめたものはやはりダイジェスト感がありました。原作「デイヴィッド・コパフィールド」は有名な小説ですね。なので「原作を読んだことがある」という前提での鑑賞が想定されているのかもしれません。
母親がいるのに強制労働させられるデイヴィッド
原作でのデイヴィッドは母親が亡くなってから、義父によって学校をやめさせられて働きに出されます。本作では母親が存命中に働きに出されます。そして、母親の死に目に会えず、葬儀にも出席できなかったのです。これはあまりにもひどいことだと思いました。
モーフィッド・クラークが二役
モーフィッド・クラークはデイヴィッドの母親クララと、令嬢ドーラの二役を演じています。デイヴィッドがドーラにひと目ぼれしたのは母親クララの面影を感じる容姿だったから、ということが分かる演出があればもっとよかったです。
ドーラとの別れ、アグネスとの結婚
デイヴィッドがドーラと別れて、アグネスと結婚するのが唐突な感じでした…
映画『どん底作家の人生に幸あれ!』のまとめ
映画『どん底作家の人生に幸あれ!』の作品基本情報、スタッフ、キャスト、あらすじ、ネタバレありの感想で、よかったところ、気になったところについて書いてみました。
波乱万丈な人生を送るデイヴィッドがついに迎えたハッピーエンド。作家としての成功、家族や友人を守る優しさ。皆が楽しそうに過ごしているラストにほっこりしました。
イギリス的な衣装やティーカップなどは目の保養になり、ユーモアには楽しませてもらいました。
改めて原作を読み返してみたくなりました。