「映画館の大スクリーンで美術を楽しむ」ドキュメンタリー〈アート・オン・スクリーン〉の1作。【天才画家ダ・ヴィンチのすべて】です。
【ピカソがピカソになるまで】に続き、鑑賞しました。
この記事では、映画【天才画家ダ・ヴィンチのすべて】の基本情報、見どころを交えた感想、関連作品について書いていきます。
映画【天才画家ダ・ヴィンチのすべて】基本情報
予告編
製作年
2019年
製作国
イギリス
上映時間
102分
配給
ライブ・ビューイング・ジャパン
劇場公開日
2021年1月29日
原題
Leonardo: The Works
レイティング
G
上映館
https://artonscreen.jp/theater.html
監督
フィル・グラブスキー
映画【天才画家ダ・ヴィンチのすべて】の見どころを交えた感想
ダ・ヴィンチのすべての絵画作品が解説付きで網羅されている
多作だったピカソとは真逆で遅筆だったというダ・ヴィンチ。しかし、海外に行かずともダ・ヴィンチの絵画作品のすべてを鑑賞できるなんて!貴重な体験ができます。
『モナ・リザ』『白貂を抱く貴婦人』『最後の晩餐』『岩窟の聖母』など。更にはダ・ヴィンチ最後の作品で現在は行方不明の作品であるといわれる『サルバトール・ムンディ』まで網羅。
最高傑作と称賛されるダ・ヴィンチの作品がハイビジョンカメラにより撮影されました。実際に観るよりもアップで詳細に映し出される作品に圧倒されました。
専属解説付きで美術館鑑賞をするような、ぜいたくな時間を過ごせます。
ダ・ヴィンチ没後500年たってもなお魅了される
リアルを追求したというダ・ヴィンチの作品のすばらしさは言うまでもありません。作品の人物はまさにそこに本当に存在しているようで、そのまなざしに吸い込まれそうになります。
「ダ・ヴィンチはあえて未完成の作品を残したのではないか?」「暗号が埋め込まれているのでは?」などと観る側が勝手に謎解きをしています。没後500年たっても未だに我々はダ・ヴィンチに踊らされています。
しかし、ミステリアスな作風には誰もが魅了されてしまうので、それもしかたないと思ってしまいます。
ダ・ヴィンチ最後の作品『サルバトール・ムンディ』
出典:ロイター
『サルバトール・ムンディ』はラテン語で「世界の救世主」の意味です。ブルーのローブをまとったイエス・キリストの肖像画で「男性版モナリザ」や「ラスト・ダ・ヴィンチ」と呼ばれることもありますね。
リアルでキャンバスから飛び出してきそうな右手では十字を切っています。
左手には大きな水晶玉を持っています。この水晶玉は地球、世界、宇宙を表現しているとか。
『最後の晩餐』では描ききれなかったキリストの顔をしっかりと描いたそうです。
祝祷しているキリストにより、すべてが浄化され、祝福される思いです。
じっと眺めていると、キリストが動き出しそうな、そして自分が絵の世界に入り込んでしまうような、不思議な感覚に陥ります。
絵に宿っているダ・ヴィンチの魂がそうさせているのかもしれません。
この『サルバトール・ムンディ』は製作途中でクライアントとの関係性が切れたために、ダ・ヴィンチが亡くなるまで手元に置いてあったとのこと。いろいろなしがらみから解き放たれたあと、長年に渡り、何度も筆を入れたことでしょう。
現在は行方不明かもしれない『サルバトール・ムンディ』。いつの日か、この貴重な作品が再び表舞台に登場することを願います。
ダ・ヴィンチ、自らのアピール方法
ダ・ヴィンチがクライアントに対して、自らの才能をアピールするために送った手紙が紹介されました。
「科学にも詳しいし、何でもできる…」などと書き、「絵も描ける」というひと言で締めくくられます。なんというセンスのよさ!天才的に絵がうまいダ・ヴィンチならではのユーモアすら感じます。
関連作品も併せて鑑賞する
〈アート・オン・スクリーン〉の他の作品も連続で鑑賞すると、世界を旅するような、ぜいたくな気分になれますね。
映画【天才画家ダ・ヴィンチのすべて】まとめ
映画【天才画家ダ・ヴィンチのすべて】の基本情報、見どころを交えた感想、関連作品について書きました。
没後500年たってもなお、わたしたちを魅了し続けるダ・ヴィンチ。彼のすべての作品を解説付きで貸し切り美術館で鑑賞するかのようなぜいたくな体験ができます。
観ているものを不思議な感覚に陥らせるダ・ヴィンチ最後の作品『サルバトール・ムンディ』にはぐっと引き込まれます。ダ・ヴィンチの魂を感じられる作品です。
すばらしい作品は時代を超えて感動させてくれますね。