映画【ターコイズの空の下で】ネタバレも!柳楽優弥の舞台挨拶では笑いと感動で旅気分が盛り上がる!

ターコイズの空の下で

映画【ターコイズの空の下で】が2021年2月26日(金)より新宿ピカデリーほか、全国で順次公開されます。

日本・モンゴル・フランス合作で、柳楽優弥さんが主演を務めるロードムービーです。

2021年2月19日(金)に新宿ピカデリーにて「舞台挨拶付き先行プレミア上映」が行われたので観にいってきました。

では、映画【ターコイズの空の下で】の基本情報、キャスト、あらすじ、ネタバレありの見どころと感想、舞台挨拶の様子について書いていきます。

映画【ターコイズの空の下で】基本情報

予告編

製作年

2020年

製作国

日本・モンゴル・フランス合作

上映時間

95分

配給

マジックアワー、マグネタイズ

劇場公開日

2021年2月26日

英語題

UNDER THE TURQUOISE SKY

レイティング

G

上映館

http://undertheturquoisesky.com/

監督

KENTARO

衣装

TAKEO KIKUCHI

MACHIKO JINTO

映画【ターコイズの空の下で】キャスト

柳楽優弥:タケシ・大企業の経営者である三郎の孫

柳楽優弥

映画デビュー作品【誰も知らない】(2004)で最年少・日本人初、カンヌ国際映画祭で主演男優賞受賞という快挙!当時14歳です!

その後も映画、ドラマに出演多数。今後も【HOKUSAI】や【太陽の子】などの主演作品が公開予定。

【HOKUSAI】は2020年の第33回東京国際映画祭のクロージング作品として上映された際に鑑賞しました。柳楽優弥さんは北斎の青年期を演じましたが、北斎の絵に対する執念を感じるすばらしい演技でした。

本作は、柳楽優弥さんにとって、初めての海外合作映画の主演となりました。モンゴルの自然の中で成長していくタケシを演じています。

アムラ・バルジンヤム:モンゴル人・アムラ(馬泥棒)

アムラ・バルジンヤム

俳優・プロデューサー。モンゴル人として初めてハリウッドに進出した俳優。

本作では、モンゴルでタケシの伯母を探す旅の案内人・アムラを演じます。

麿赤兒:三郎・大企業の経営者でタケシの祖父

麿赤兒

【ツィゴイネルワイゼン】(1980)、【菊次郎の夏】(1999)、【キル・ビル】(2003)、【翔んで埼玉】(2019)、【バードソング】(2020)ほか、多数の映画やドラマに出演し、強い印象を残しています。

本作では、タケシの祖父で大企業の経営者・三郎を演じます。

その他の主なキャスト

ツェツゲ・ビャンバ 遊牧民女性
サラントゥーヤ・サンブ ツェルマ 三郎の生き別れた娘・タケシの伯母
サヘル・ローズ 三郎の秘書
諏訪太朗 警察署長
西山潤 青年期の三郎
佐藤乃莉 タケシのガールフレンド
ガンゾリグ・ツェツゲ ハーディ アムラを追いかける警察官
ウンダルマ・トゥヴシントゥシグ スヴト 青年期の三郎が恋したモンゴル人女性

スヴトを演じたウンダルマ・トゥヴシントゥシグさんは本作で映画デビューしました。初々しさがありながらも、堂々たる演技でした。

映画【ターコイズの空の下で】あらすじ

タケシは父親を早くに亡くし、大企業の経営者である祖父の三郎に甘やかされて育った。あるとき、三郎の飼っている馬が盗まれた。犯人はモンゴル人男性・アムラだった。三郎はアムラを許し、代わりにあることを命ずる。それはタケシを連れてモンゴルに行き、三郎の生き別れた娘・ツェルマを捜すことだった。タケシは観光旅行的な気楽さで出掛けたものの、アムラの古いバンに乗せられ、モンゴルの大自然に戸惑う。次第に楽しむことができるようになってきた、と思いきや、アムラが馬泥棒の容疑で逮捕される。荒野にひとりぼっちとなり、夜には接近してきたオオカミを追い払うのに必死になる。力尽きて倒れたタケシはモンゴル人女性に助けられる…

映画【ターコイズの空の下で】ネタバレありの見どころを交えた感想

モンゴルの自然とホーミー

まさに本作のタイトル【ターコイズの空の下で】といった雄大な自然に魅了されます。普段、人工物に囲まれた生活をしているせいか、荒野でさえも美しく感じます。とっても広い空の下、馬に乗るタケシとアムラの鮮やかな青と赤の衣装のコントラストもすてきです。

目の前の大スクリーンに映し出される風景がリアルなので、タケシとアムラと一緒に旅をしているような気分で楽しむこともできますね。

ホーミーが何度も効果的に使用されています。幻想的な世界に引き込まれます。

シャーマンに導いてもらう

シャーマン

タケシとアムラは途中でシャーマン的な人物に向かう方向を教えてもらいます。モンゴルのような大自然の中では、あらゆる感覚が研ぎ澄まされそうです。

成長していくタケシ

倒れるタケシ

最初は戸惑っていたけれど、モンゴルの美しさに魅了され、旅を楽しめるようになっていくタケシ。都会ではありえないような体験を重ね、だんだん意識が変化し、成長していきます。言葉の通じないアムラとも次第に心を通わせます。伯母のツェルマを捜すうちに自分のアイデンティティを見つめ直しているようでした。

タケシは助けてくれたモンゴル人女性の出産に立ち会います。女性が産まれた子供を抱く姿を見てタケシは涙をスーッと流します。命に触れる、感動のシーンでした。

タケシは無事、伯母のツェルマを見つけ、祖父に電話をかけます。電波が微妙なので苦労しますが、電話で父と娘は何十年ぶりかの再会を果たします。病に倒れた三郎はベッドの中で電話を受けています。ツェルマは三郎を恨む様子もなく、ただ純粋にうれしそうでした。よかったなぁと思う一方で、切なさも感じました。三郎は娘・ツェルマの消息を確認できてホッとして、そして多分、亡くなったのだと思います。生と死を考えさせられました。

その後、日本に戻ったタケシが社長室で仕事をしています。かつて遊びほうけていたとは思えないまじめな様子で。三郎の秘書は、新社長タケシの秘書となったようです。モンゴルでの経験がタケシを大人に成長させ、三郎の後を継いで立派な経営者になることでしょう!

コミカルな演出

言葉が通じないタケシとアムラの、ときにかみ合わないやり取り。言葉が通じても、こういうことってあるかも!って笑えました。

警察官が馬泥棒の容疑で指名手配中のアムラを追うシーン。アナログな小道具で捕まえようとしたり、早回しをしたりなどの、チャップリンみたいな、ちょっと古い感じの演出が逆に新鮮でおもしろかったです。

近未来的な社長室

社長室のシーンは抑えられた色調で無機質な雰囲気です。近未来的な印象を受けました。モンゴルの大自然との対比を強調する意味があったのかもしれません。

つながっている空

ラストで日本のタケシのオフィスビルの外観が映り、まるでゲームのようです。次に空の映像が。日本の空とモンゴルの空がつながっていることを改めて感じる演出です。

きれいな空と、星もあまり見えないような空の境目はどこだろう?実際にはつながっていて、どこかに仕切りがあるわけではありませんね。複雑な気持ちになりました。

映画【ターコイズの空の下で】舞台挨拶

上映前に舞台挨拶が行われました。柳楽優弥さん、サヘル・ローズさん、KENTARO監督が登壇されました!

柳楽優弥さんは、海外合作映画の初主演を楽しまれたようです。ゲルで3週間、KENTARO監督と一緒に生活して、そこではKENTARO監督より以下の3つの禁止が言い渡されたそうです。

  1. 鏡を見ることを禁止(どんな顔で演技しているか、など意識してしまうから)
  2. マネージャーとの会話禁止(日本に意識が戻ったりするし、モンゴルにいてほしかったから)
  3. 携帯電話禁止(禁止せずとも電波が届かなかったから使用不可だった)

KENTARO監督からはほかにも「演技に関してはコマーシャルみたいな演技は嫌で、ナチュラルなまま撮りたい」と言われたそうです。映画デビュー作【誰も知らない】のときの感覚を思い出し「自分らしく現場にいていいんだ」と思ったそうです。これは作品に生かされたと思います。柳楽優弥さんがモンゴルにいるシーンはまるでドキュメンタリーのようにナチュラルでしたから。

柳楽優弥さんは、こんなふうにも話されました。

「精神的な豊かさの大切さを改めて学んだ。旅、人との出会いも。quality of life の大切さも」

「ロードムービーをシンプルに楽しんで、トリップ感を味わってほしい、ほっこりしてほしい」

「いろいろアドバイスしてくれるKENTARO監督との大切な出会い。これは大きなこと」

柳楽優弥さんの人柄が感じられるすてきな言葉です。KENTARO監督との仲の良さもほのぼのしていて本編鑑賞前からほっこりしました。

「この場に立たせてもらって光栄です」と言った、サヘル・ローズさんはオーディションで本作の出演が決まったそうです。KENTARO監督がナチュラルなものを求めたら、彼女はオーディションにすっぴんで現れたとか!KENTARO監督が「すばらしい俳優だ」と褒めていました。

そして、KENTARO監督は本作が長編初監督です。17m以上のスクリーンで上映する前提で8K、DCPで撮影の意気込みです。

「舞台挨拶は初めて。こんなときに来ていただいてありがとうございます。今日は日本人に初めて見てもらえる。寓話的な感じで見ていただければ。多くの方に見てもらいたい」と日本での初上映に感慨深げでした。

映画【ターコイズの空の下で】まとめ

映画【ターコイズの空の下で】の基本情報、キャスト、あらすじ、ネタバレありの見どころと感想、舞台挨拶の様子について書きました。

モンゴルの壮大な自然に癒され、タケシとアムラと共に旅をしたような気分を味わえる、すてきな作品でした。タケシを演じた柳楽優弥さんはあまりにナチュラルでドキュメンタリーのようでもありました。

舞台挨拶のほのぼのした雰囲気からは、監督とキャストがこんな関係性だからいい作品が撮れたんだなぁと感じました。

公開されたら、もう一度大スクリーンで旅気分を味わいたいです!

画像出典:公式HP

YUYA
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