ドキュメンタリー〈アート・オン・スクリーン〉の1作である映画【ピカソがピカソになるまで】を鑑賞しました。
コンセプトは「映画館の大スクリーンで美術を楽しむ」です。
では、映画【ピカソがピカソになるまで】の作品基本情報、見どころを交えた感想について書いていきましょう!
映画【ピカソがピカソになるまで】基本情報
予告編
製作年
2019年
製作国
イギリス
上映時間
91分
配給
ライブ・ビューイング・ジャパン
劇場公開日
2021年1月29日
原題
Young Picasso
レイティング
G
上映館
https://artonscreen.jp/theater.html
監督
フィル・グラブスキー
映画【ピカソがピカソになるまで】の見どころを交えた感想
ピカソの幼少期
1881年生まれのピカソ。スペイン南端のマラガで育ちます。
スペインで生まれ育ったら、音楽、フラメンコ、闘牛、カラフルな色遣いの衣装などに無意識のうちに影響されそうですね。
ピカソは父親が美術教師だったことにも大きな影響を受けたことでしょう。幼いころから絵を描いていますが、父親のおかげで画材には不自由しませんでした。
7歳のときの風景画はすでに天才画家の片りんを示してします。やはり普通の7歳の子どもの絵ではありません。
ピカソの「青の時代」
10代のピカソが描いた肖像画は写実です。これが10代の少年の作品?と驚くべき秀作ばかりです。
そして、美術教師の父親がマドリードへ転勤します。もちろんピカソも引っ越しします。美術を学ぶにはよりよい場所と環境です。画家になるべく導かれているようです。
ピカソは自らの人生や愛について悩み、更に作風についても模索し始めます。
友人の死がきっかけになったとも言われていますが、青をベースにして、絶望、苦悩、不安、貧困などを表現しているように感じる作品が多いです。
19歳で友人を失ったピカソが受けた、大きなショックが伝わってきて胸が痛くなりました。
ピカソの「ばら色の時代」
ピカソは恋をするようになると、次第に作品に赤系統の明るい色が使われるようになります。「サーカスの時代」とも呼ばれるようにサーカス団の芸人たち(ピエロなど)を描くことも多かったようです。
常に新たな表現方法を探していたことが分かる時代です。
ピカソが暗闇から脱出したようで、ホッとしました。
ピカソ『アヴィニョンの娘たち』を描く
ピカソはアフリカ彫刻、ギリシャ彫刻、イベリア彫刻などにも影響を受けました。
1907年に描かれた『アヴィニョンの娘たち』の顔にはそれらが表れています。
さまざまな視点から見たものをひとつにまとめるという、新たな視点、現実感で表現する「キュビズム」や現代絵画の起点とされ、大絶賛された作品です。
後の1937年に製作される、あの大作『ゲルニカ』の起点かもしれないと思うと、ゾクゾクします。
関連作品も併せて鑑賞する
ピカソはレオナルド・ダ・ヴィンチのあの名作『モナ・リザ』をルーブル美術館から盗んだ容疑者のひとりとして逮捕された(1週間で釈放された)ことがあるそうです。歴史の因縁を感じます。
映画【ピカソがピカソになるまで】まとめ
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Musee de Montmartre, Paris, France _ Archives Charmet _ Bridgeman Images © Succession Picasso_DACS, London 2018 pic.twitter.com/vFeQf5bEsx
— ArtOnScreen (@artonscreenjp) November 24, 2020
映画【ピカソがピカソになるまで】の作品基本情報、見どころを交えた感想について書きました。
常に新たな表現方法を模索しながらどんどん成長し続けた若き日のピカソ。そのピカソの描いた多くの作品を大スクリーンでじっくりと鑑賞できました。ありがたいことです。ピカソの生い立ちから影響されたものや人物にまで思いをはせました。
切なさと希望が入り混じった、複雑な感覚に陥りました。
余談ですが、若き日のピカソのカッコよさ!まるで俳優のようなイケメンです!
多作であったピカソの作品の数々と、ピカソ自身の映像がずっと余韻として頭に残っています。もう一度ゆっくり観たくなりました。